JR境線 鬼太郎列車の旅

JR境線 鬼太郎列車の旅

なぜこの行き先を選んだか

息子が電車大好きで「サンライズ出雲」に乗るために鳥取県・島根県を訪れることにしました。 まずはおさえておきたい観光スポットの鳥取砂丘と出雲大社へ行くことを決めて、そのほかはどうしよう、と地図や観光案内サイトとにらめっこ。鳥取砂丘から出雲大社までのルートからは少し道を外れることになるのですが、海の近くなので魚介が美味しそうだし、電車の旅というからにはやはり鬼太郎列車には乗っておきたいと思い、行くことにしました。

JR境線へのアクセス

JR境線は、米子駅から境港駅の間を走っています。私達は前日に鳥取市内に宿泊したので、鳥取駅から米子駅へ向かいました。特急で約60分ほどでした。ちなみに周辺の観光地からの所要時間はJR出雲市駅から特急で50分前後、玉造温泉駅からだと特急で30分前後です。
また、飛行機でアクセスする場合、JR境線に米子空港駅があります。

行く前の準備と計画

気候によって服装を調節できるよう、上着や防寒具を用意した方が良いでしょう。私達が訪れたのは12月で、雪が散らついていました。列車の中は暖かいのですが、海からの風は強く、かなり寒かったです。夏も列車の中と外とでの温度差は大きいと思われます。
土日は全て鬼太郎シリーズの列車で運行されていますが、平日はそうでない列車もあるようで、注意が必要です。また、どうしてもこのキャラクターの列車に乗りたい!というものがある場合は事前に問い合わせると運行時刻を教えてもらえるかもしれません。全ての列車は自由席なので、事前の予約は不要です。
JR境線は17.9kmという短い区間に16もの駅があり、米子駅から境港駅まで所要時間が約40〜50分かかります。時間帯によっては同じ区間でもバスの方が早い場合もあるので、旅のスケジュールによっては往復電車ではなく片道はバスを利用することも検討すると良いでしょう。私達は米子駅から境港駅までは鬼太郎列車で向かいましたが、次の目的地である松江までは電車だと1時間半前後、バスだと45分前後だったので、バスで向かいました。
また、境港市内をあちこち観光する場合は「はまるーぷバス」も便利です。

実際に行ってみた感想・様子

JR境線は米子駅の0番ホームから出発します。ホームのあちこちにゲゲゲの鬼太郎のキャラクターがいます。階段、ベンチ、駅名表示・・・キヨスクも鬼太郎仕様です。
私達が乗ったのは2017年末、ピンクが基調のねこ娘車両でした。2018年に車両がリニューアルされて、現在は鬼太郎・ねこ娘・ねずみ男・目玉おやじ・砂かけ婆・こなき爺の6種類が運行されています。
車内に入ってみると、トイレの側面・天井・座席などにキャラクターが描かれていて子供達は大興奮。鬼太郎やねこ娘の声でアナウンスがあり、大人は嬉しくなりましたが、アニメを見たことのない子供達の反応はイマイチでした。
一通り車内を満喫した後は車窓を楽しみます。とてものどかな風景が広がっていて、「妖怪」からイメージされるような陰気さは微塵もありません。JR境線には各駅名の愛称があり、例えば出発の米子駅は「ねずみ男駅」、終点の境港駅は「鬼太郎駅」となっています。駅名表示も愛称がメインで、妖怪の説明やイラストが描かれています。次の駅はどんな妖怪駅名の表示かな・・・と駅に停車するごとに楽しみがあります。
車内でも駅でもキャラクターを楽しめるので、電車好きの子供でなくても楽しめそうです。

JR境線の終点・境港で観光

終点の境港駅を降りた瞬間から水木しげるワールドが広がっていました。駅直結のみなとさかい交流館の中にある「境みなと・オアシス」では山陰各地の観光名所の紹介や、「まんが王国とっとり」を味わえるエリアがあります。鳥取県は水木しげる氏の他にも「名探偵コナン」の青山剛昌氏、「遥かな町へ」「父の暦」の谷口ジロー氏など漫画家を多く輩出しており、まんがを活用した元気な鳥取県づくりをめざして2012年に「まんが王国とっとり」が建国されたそうです。我が家の子供達が知っているまんがはなかったのですが、それでも興味深く見て回っていました。一通り見終わった後、子供達はそのままキッズスペースで遊びたいというので、私一人で駅前から水木しげるロードを歩きました。立ち並ぶお店の外観、交番、ポスト、マンホール・・・と様々なものが妖怪をテーマに作られており、歩いているだけでも、妖怪の世界が楽しめます。
写真は妖怪広場にある「河童の泉」です。水に関係する妖怪など、9体のブロンズ像が配置されています。通常は水木しげるロードのあちこちに妖怪のブロンズ像が置かれているのですが、私達が訪れたときはちょうどリニューアル中だったため、妖怪達は駅前の広場に集められ特別展示「世界妖怪会議」として並んでいました。水木しげるロードに興味を示さなかった子供達も、こちらには惹かれたようで、鬼太郎と目玉おやじを中心に並べられたブロンズ像達の間を探検、かくれんぼしたり、隣に座ってみたりしていました。リニューアル後は177体の妖怪ブロンズ像が住む場所や種類によってゾーン分けされ、再配置されているそうです。また、夜には影絵の照明やブロンズ像のライトアップも楽しめるようです。
他にも水木しげる記念館、妖怪神社、鬼太郎妖怪倉庫など、駅から歩ける範囲に妖怪の世界を楽しめるスポットがたくさんあります。

JR境線のグルメ・お土産

海の近くに来たらやはり海産物が気になります。とにかく魚介が食べたい!!ということで、バスで境港魚市場へ向かいました。市場近くの「かいがん」というお店で海鮮丼や刺身定食を食べた後、市場に隣接する境港水産物直売センターでお土産を物色。気になったのは一夜干しのイカです。炙って食べたら美味しいだろうな、とかなり惹かれたのですが、常温で持って帰るのは難しいと判断し、断念。鳥取近海で取れた乾燥あらめ(海藻の一種)を買いました。
もう少し時間があれば行ってみたのかったのが「なかうら」という堺港で水揚げされた魚介や加工品が豊富に並ぶ市場です。大きな鬼太郎の石像が迎えてくれ、隣接するお食事処「弓ヶ浜」のかにトロ丼が人気だそう。他にも沿線には魚介の美味しいお店がたくさんあるようで、時間のある方はぜひ食べ歩いていただきたいです。

魚介以外だと、水木しげるロードで鬼太郎にちなんだグッズ・食べ物がたくさん売られています。ゲゲゲの鬼太郎のキャラクターをモチーフにした饅頭だけでも「目玉おやじまんじゅう」「妖怪饅頭」「でこまんじゅう」があるほか、目玉のばあむ、一反もめん焼き、鬼太郎ソフトなど、あれもこれも食べてみたくなります。グッズも一反もめんバック、妖怪がま口財布、鬼太郎Tシャツ、文房具などなど、バリエーションの多さに驚きました。

まとめ

鬼太郎列車に乗れて美味しい魚介が食べられたら満足、と思っていたのですが、境港駅周辺はとても見応えがあります。観光にとても力を入れているようで、よくある小さな港町だと侮っていたことを反省しました。
子供達はゲゲゲの鬼太郎を知らなかったにも関わらず、あちこちにあるイラストや像に興奮して駆け寄って行く姿をみて「キャラクター」の力ってすごいなあと思いました。事前にまんがやアニメを見ていたらもっと楽しめたのだろうと思う反面、アニメや漫画は、小さな子供には怖いような気がして、事前に見せていたら行きたくないと言われてしまっていたかも、とも思います。実際にはJR境線沿線ののどかな風景の中で会える妖怪達は爽やかで可愛らしく、我が家にとっては子供達と鬼太郎との出会いがこれでよかったです。

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